(1)小津安二郎監督「秋刀魚の味」にサンマがでてこないように、このポール・トーマス・アンダーソン監督(以下、PTA監督)「リコリス・ピザ」にピザがでてこない。
(2)「秋刀魚の味」サンマといえば秋。「人生の秋」をテーマとして、笠智衆演じる中年オヤジが娘の結婚などの想いを綴った作品。
(3)「リコリス・ピザ」は1980年代まであったカリフォルニアのレコードショップの名前のよう。カリフォルニアで当時流れていた音楽が重要なアイテムだからかも!
(4)本作は15才のぽっちゃり男子と25才のうだつの上がらない姉さんの恋愛映画と言われているようですが。
(5)ワタクシ的には15才男子と25才姉さんの友情の物語だと思う。
(6)友達が困ったときは走って会いにいく。
(7)ウディ・アレンの映画のオマージュだと思った!
(8)浮気症の主人公がくっついいたり、離れたり、ちょっとお茶目なことをしたり!
(9)PTA監督としては珍しく、バスト・トップを写さない映像マナーも!
(10)ウディ監督は90分で納めるが、PTA監督は133分!
(11)このワンカットが長いところがPTA監督!
(12)最近PTA監督作品を観返して思ったのが、構図が写真的で、セリフが詩人的。
(13)PTA監督作品はカメラマンかつ詩人が作った、トンデモ作品だと思ったほうが、すっとココロに入る。
(14)あと、PTA監督作品の日本ネタの多さ!
(15)「インヒアレント・バイス」レストランで日本人スタッフに「パンケーキ持ってこい!」発言、「マスター」戦争で日本人を殺した発言、本作でも重要なシーンに日本ネタが!
(16)いうことで、本作はタイトルは小津のオマージュ、物語はウディのオマージュ、極東日本ネタもいれつつ、カメラマン&詩人のPTA印はしっかり刻印!!!
(17)ワタシだけの感想ですが、このフランス映画のノリに近いと感じました。