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ピンチの後にチャンスあり!しかし人生ピンチの連続。まぁなるようになるかね。

【再掲】1998年~99年に書いたブギーナイツの件!

 

ブギーナイツ [DVD]

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  • マーク・ワールバーグ
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リコリス・ピザ公開記念で、1998年~1999年に書いた記事を再掲します。いや2022年に観ても素晴らしい!20年前に観たかったモザイクなしのラストシーンがネットにあるとは!!! 

ちんちんで始まり、ちんちんで終わる映画。
ブギーナイツ



祝ビデオ化記念ということで、3回目はビデオで観ました。発狂キーボード乱打症(この感動をあなたにも伝えたい)第三回目はブギーナイツでございます。

この映画ブギーナイツを観て初めて映画自体を愛してしまいました。こんなに愛しちゃってる映画は他になく、なんでこんなに愛しちゃってるのかをここでお話します。それは狂おしいぐらいに羨ましい家族愛をテーマに展開しているからなんです。しかも普通の家族映画の家族愛ではまるでなく、どうしようもなく家族愛に恵まれない人たちの、ポルノ映画のスタッフ、俳優のチームの中で生まれる擬似的な家族愛なのです。「おいおい、家族じゃなくてチームであれば友情になるんじゃないのか?」っていうのツッコミもあるかもしれませんが、まぎれもなく家族愛まで昇華しているのです、これは。時に厳しく、皆の相談相手になりながら優しい視線を送り続ける監督がお父さん。離婚して我が子の親権を奪われたポルノ女優は、実の息子、娘同然に若い俳優に暖かい視点で接し続けるお母さん役。実の母に自分を理解してもらえず、家出同然でポルノ俳優になった主人公。学校に居場所がなかったポルノ女優が妹さん。遊び仲間になる脇役俳優がお兄さん。その他暖かい視線で見守るスタッフが従姉妹たち。そんな役割を自然とこなしており、擬似的な家族構成が出来上がっています。しかも皆それぞれ持病のような苦痛を持ちながらも前進していこうとする姿勢が描かれてます。またこの擬似的家族とは対照的な家族の話も挿入されており、よりいっそうこのテーマを引き立てています。それはカメラスタッフの人の夫婦の話。奥さんが病的なまでの浮気露出狂で、自宅、道路、仕事場で浮気相手とファックしまくりで、あげく発狂したダンナが浮気現場で奥さんを撃ち殺し、自分も銃で自殺する話。でも、ほとんどの出演者の状況もこのような状況の一歩手前な感じなのです。それでも皆前進していこうとしてる感じが全編に表現されており、その微妙なガンバリズムにグッときちゃうのです。たまらない感じがするんです。そこなんです。 ポルノ映画のスタッフたちの物語っていう普通の人からすれば異次元の世界、そんな異次元を興味本位の覗き見感覚で訪れながらも、この濃い家族愛の世界に徐々に引き込まれていくんです。

他にもカントリーミュージック好きの黒人、リックスプリングフィールドを流しながら、一緒に歌っちゃうラリ中、主人公を好きになっちゃうホモのデブ、手品師になったスターウォーズハン・ソロ似の俳優、と脇役たちもどこか憎めいない抜け方をした人ばかりで、馬鹿さ加減を付け加えています。音楽も70年代後半から80年代前半のディスコがかかりまくり、泣き所ではビーチボーイズ「神のみぞ知る」がかかるというところもばっちり空虚でバカな感じがとても素晴らしいんです。もっと書いちゃうと、オープングのemotionsの「best of my life」に合わせて出てくる登場人物シーンが異常にいい!観てる僕も思わず足でステップ踏んじゃいながら、引き込まれちゃう位ノリノリなんです。このオープニングを観る度にホント、いい映画だよな~と思っちゃうんです。この映画の出演者の微妙なダメさ加減と、微妙な頑張りさ加減と、微妙なバカさ加減。これこそがボクのツボを異常なまでも刺激する要因なのです。そんな訳でこの映画を愛しちゃってるのです、マジで。(99/4/25)

●ポールトーマズアンダーソン「ブギーナイツ」●

2回目観に行っちゃいました。どうしてこんなにブギーナイツ愛してしまったのだろう?ポスターもTシャツも買ってしまいました。かなりダウンで、自分に自信がなく、愛情に飢えているのだろうか?いや、そうじゃない。(そんなに強く否定できないけど)すばらし過ぎるからなのだ。素敵過ぎるからなのだ。1回目の時には気づかなかったさまざまな仕掛けに興奮し、すばらし過ぎるストーリにまたもや涙がこぼれてしまいました。蛇足ですが、これから観るという人には、新宿で観るのをオススメします。90年代を代表する最高傑作と断言しておきます。(98/10/20)
●ポールトーマズアンダーソン「ブギーナイツ」●

28才のポールさんが作った、ダメ人間のための愛の映画。チンチンの大きさしか取り柄のない男の話なんですけど、これほど笑えて、愛情に満ちた、人生の生き方をプレゼンしてる映画は他に見当たりません。このページを見た人は即見に行ってください。これから、ダウンな時や自分に自信が持てない時や、愛情に飢えてる時は、この映画を何度も見ることになるんだろうな。鏡を買って、自分に話す、そして「that's right」とつぶやく。これができれば大丈夫なんですね。(98/10/11)