QSKVブログ

ピンチの後にチャンスあり!しかし人生ピンチの連続。まぁなるようになるかね。

おわらない物語-アビバの場合-/トッド・ソロンズ監督(2004)

D3_small(1)この映画が不幸なのは「主人公を8人の役者が演じるという手法」ばかりに注目を集めてしまうため、観終わった後にメッセージよりも手法についてばかり印象が残ってしまうところ。しかしこの特異な手法は小学生のお遊戯会的効果があって「中絶」という重いテーマをちょっとだけ軽くする不思議な力がある。(2)トッド・ソロンズの映画はどれも壮快な気分にはなれない映画ばかりだけど、前作より救いがあった。(3)ラストシーンは監督の頭の中が混乱してるのが、そのまま表れているな。(4)ソロンズの「ハリウッドはこのような衝撃的なテーマに近寄りたがらないので、資金調達が大変だった」というコメントが面白い。そりゃあそうだ。(5)原題は「PALINDROMES(回文)」。主人公のAVIVAの名前が回文になってたり、「体型や見かけは変わるけど、性格は変わらない。」というメッセージを「回文」という意味で表現したようだ。(6)主人公8人の中で一人だけ男性がいる!(7)この写真のサンシャイン・シンガーズがサイコー!もっと出番が多くして欲しい!(8)中絶を許さないグループの凶暴性も描いているのが良かったな。

以下あらすじです。

したたかないじめられっ子だったドーンがレイプされ、自分の分身がこの世に生まれてくることに耐えられず自殺した。ドーンの従妹アビバは、自分は幸せになって子供を産み、必ず母親になると誓う。数年後、12歳になったアビバは、両親の友人の息子ジュダと関係を持ち妊娠する。アビバの妊娠を知った両親はショックを受け、いやがるアビバをむりやり病院に連れて行き中絶手術を受けさせる。中絶した赤ちゃんが女の子だと聞かされたアビバは、その子を“ヘンリエッタ”と名付ける。母になる夢を諦めきれないアビバは、ついに家を出るのだった。