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ピンチの後にチャンスあり!しかし人生ピンチの連続。まぁなるようになるかね。

カエルが降らないマグノリア?


松ヶ根乱射事件山下敦弘監督(2007)

(1)山下監督作品はみんな好き。
(2)やっと、その理由が判った。
(3)次の3点が山下映画の共通点。(a)日本の田舎が舞台。(b)登場人物はみんな冴えない。(c)結局同じところに戻ってくる。
(4)これは何かっていうと3点とも日本の現実なのだ。
(5)ひき逃げ事件、恫喝事件、その復讐、子供の同級生と不倫、売春、最後に起こる乱射事件(!)と、フックはかなりあるんだけど、結局日常に戻る。これも日本の現実。
(6)監督が伝えたいメッセージとは「この映画のねじれ具合が結局日本の現実なんだ」ってこと?
(7)にやり笑いが好きな人向けですな。
(8)タイトルはちょっと大げさ?
(9)キム兄の演技が「ブルー・ベルベット」のデニス・ホッパーと同じ位神がかっている!
(10)。好きか、嫌いかと聞かれたら、好きと答えますが、薦めるか薦めないかと聞かれたら、薦めない。なぜならマニア向けだから。。。
(11)雑誌「CUT」では「日本のマグノリア」と評されてますが、そんな完成度はなくて、中途半端な「カエルの降らないマグノリア」なんてところ。

以下あらすじ&解説です。

舞台は90年代初頭頃。とある田舎町・松ヶ根で警察官をしている光太郎は、事件という事件のない退屈なこの町にウンザリしていた。実家は畜産業を営んでいるのだが、ぐうたらな父親・豊道は近くの床屋に居候中。そんな所へ流れ者のカップル、みゆきと祐二が松ヶ根にやってきた。何か訳ありっぽいこの二人の出現をきっかけに、ひき逃げ、金塊騒動、ゆすり、床屋の娘の妊娠と、平穏な町の平和に波風が立ち始めるのだった。

誰にも踏み荒らされていない深雪に横たわる死体(?)――。冒頭から、コーエン兄弟の名作『ファーゴ』を思わせる描写で始まるこの作品は、日本の典型的な田舎町(「松ヶ根」という地名、風景から、信州の「駒ヶ根」がモデル?)を舞台にした、ちょっと滑稽な人間ドラマ。今思えば、人々が“狂乱”していたバブル期の狂騒曲だ。『ゲルマニウムの夜』の記憶も新しい新井浩文の役どころは、寡黙だけど心に何か鬱積するものがありそうな青年警官。『十階のモスキート』で内田裕也が演じた警官のように、“もしかしたら何かしでかすかもしれない”といった危うさを孕んだ好演ぶりだ。タイトルにある“乱射事件”とは何か、それは観てのお楽しみ。