●リミッツ・オブ・コントロール/ジム・ジャームッシュ監督(2009)
(1)エスプレッソは別のカップで2杯。ケータイは要らない。仕事中のセックスはしない。スーツのボタンはとめる。しかし座るときはボタンを外す。
何かをやろうとする時は自分でつくった規律を守るオトコ。
そんなウディアレンの格言のようなオトコの話。
(2)話自体は必殺仕事人が暗号を受け取りながら、現場にだんだん誘導されていく話。
(3)前作の「ブロークン・フラワーズ」もそうだったけど、今回も短編のツギハギといった感じ。シーン毎に異常なテンションで進んでいくので退屈はしない。でもこのノリだと家のリビングで観たら寝るかも?
(4)クエンティン・タランティーノ、ギャスパー・ノエ、ジム・ジャームッシュ。新作は必ず観る!という作家の新作が最近は続き嬉しい限り。
(5)ジャームッシュの作風では「デッド・マン」に近いかな。 BGMのシューベルトとノイズ・バンドの並列はかなりヤバイ!
(6)この映画の表す文章では↓これが最高だと思う。
「この延々に続くかのように思われる反復の感覚、何も解決せず、というよりは解決を常に先送りにしながら律動するサウンドこそが、ブルース以来の黒人音楽の特徴だといえるんだ」『現代思想8月臨時増刊 マイケルジャクソン』(大和田俊之氏)