エンター・ザ・ボイド/ギャスパー・ノエ監督(2010)
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本作を一言で言うとギャスパー版「東京上空いらっしゃいませ」。死後の世界ってこんな感じ?
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「エンター・ザ・ボイド」というのは「VOID」というクラブに入るというシーンとVOID(無)の境地に入る意味のダブル・ミーニング!
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この監督の特徴は衝撃的な映像とリリカルな映像を紡ぎ、非日常的世界に観客を浸らせて、映画それぞれにメッセージを織り込むという手法。だから表現方法はかなり歪(いびつ)ですが、込められたメッセージは至ってまとも。
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カンヌ映画祭でブーイングが多かったという噂もある本作ですが、ちょっと頭がおかしくなるような映像ばかりでてくるので、その話もうなずけます。それがこの監督の手法なんですけどね。
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前作「アレックス」と奥さまが監督した「エコール」同様に、エンドロールが最初にある!またそれが異常にかっこいい!
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撮影舞台である新宿歌舞伎町で公開中!観終わった後に歌舞伎町を彷徨うと不思議な気分になれます。
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この映画でも出てくる「死んだ後って魂が近くを彷徨っていて、魂が自分の死体を観てるって話」ありますけど、実はワタクシ体感したことがあります。八谷和彦さんの「ワールドシステム」という作品で、自分は寝ているのですが、カメラを自分で操作しながら、自分を撮影してそれを観るという不思議な世界。14年も前の話を突然思い出しました。
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主演女優のパス・デ・ラ・ウエルタちゃんは、ジャームッシュの「リミッツ・オブ・コントロール」でエッチなスパイ役の人でした!