QSKVブログ

ピンチの後にチャンスあり!しかし人生ピンチの連続。まぁなるようになるかね。

タッチ&バイ&リード&感涙


「悪貨」島田雅彦(2010)

(1)20歳ぐらいから島田雅彦を読み続け、褒め続け、知人に薦め続け、はまり続けてもう20年!

(2)新卒の就職活動の時の履歴書にも趣味は読書(島田雅彦)と書き、面接官にいかに島田雅彦の小説が素晴らしいのかを説明したこともありました。このブログでも新刊発売時には紹介を続けて参りました。

(3)ワタシほどに島田雅彦の小説を愛しているオトコは他にいるだろうか?(いやいるハズない!)と自負するほどのクレイジー・フォー・島田雅彦な、ワタシです。

(4)毎回島田雅彦の小説はもったいないから5日間ぐらい時間をかけて読むようにしています。あっという間に終わっちゃうのが哀しいのです。今回も月曜日から読み始め、金曜日に読み終わりました。

(5)前置きがかなり長くなりましたが、今回の小説ですが、「島田雅彦ってこんなにエンターテイメント性があったっけ?」なんて思っちゃいました。

(6)金融市場の崩壊というテーマにラブロマンス、裏切り、人生の教訓等などを織り込むという職人技!

(7)「茶の間」「彼岸」「郊外」というおなじみのキーワードや朝日新聞朝刊に連載した「徒然王子」のエピソードも入れ込むというピチカート・ファイブのような連続技!

(8)エンディングもこれぞ島田雅彦!な居心地の悪さでキュっと締まってます。映画化?ドラマ化もあるかも?なんて思います。

(9)現在「文學界」にて『傾国子女』なる連載小説も始まってますが、こちらはなんと「徒然王子」のエロ女性版のよう。こちらもどう展開するか楽しみです。

(10)最後にネットに落ちていた、以下著者のメッセージを引用します。

著者メッセージ:『悪貨』 島田雅彦さん
『悪貨』は、ニューヨークに滞在中の2009年1月から書き始めました。
 私は、リーマン・ショックから始まった金融恐慌を間近で見ながら、二十世紀の大恐慌のことを考えました。大恐慌は、一九三一年に景気の二番底を経験し、ハイパーインフレブロック経済、そして全体主義の台頭、世界大戦へと二十世紀前半のカタストロフの引き金になった。
 恐慌は世界を根底から変える要因になる。それが自然発生的なものならば、天災であるが、意図的に引き起こされた事件であるならば、それは一種の戦争であり、革命です。
 また、ナチスドイツは大戦末期に大規模な金融テロを実行しました。イギリス・ポンドとアメリカ・ドルを大量に偽造しようとしていたのです。れは国家規模の経済戦争の最たる例だが、似たような国家的陰謀が現代においても、着々と進行しているのではないか? そして、今、世界は新たな貨幣システム、新たな通貨を必要としているのではないか?
 私は『悪貨』構想の最初の段階からそんな予感を漠然と抱いていました。それが、どのような小説となって結実したか、ぜひ確かめてみてください。(島田雅彦)(講談社『BOOK倶楽部メール』 2010年6月15日号)