今日の名言☆赤坂真理著「東京プリズン」より引用
「私は神学論をするためにここにいるのでない!戦争の話をしているのだ」
ライリー先生が言った。
私は応えた。
「いや、神の話なのです。竜頭徹尾、神の話なのです。人は神を必要とする。人は神を利用する。でなければ人など大量に殺せない。私の神は特別で、私のほうが彼より神の愛を多く受けている。そう思わなければ、私が神の話をするのは、『神の名のもとに戦争をする』という愚を人類が繰り返すからです。神の名のもとに戦争をするのは最悪だ。人が、人を殺すということに対して持ちうる歯止めを、なくしてしまう。しかし戦争の規模が大きくなるほど、人は人以上の何かを持ち出さなければまとまれないことを察知してしまった。神の名のもとでなければ、奴らは違う神を信じている、誤った神を信じているという理由でなければ、あなた方は原子爆弾を、同じ人の子の上に落とせたのですか?同じ人の子を、何万人も、一瞬にして蒸発させられたのでしょうか?同じ人の子なのです。同じ人の子なのです。違う神の子なのではない。みな神の子なのです。」
- 作者: 赤坂真理
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