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ピンチの後にチャンスあり!しかし人生ピンチの連続。まぁなるようになるかね。

こわれゆく女/ジョン・カサヴェテス監督(1974)



(1)これはカサヴェテスの中でも最も素晴らしい作品じゃない?トップ・リストとしては、「こわれゆく女」「ハズバンズ」「フェイシズ」の順番かな。
(2)カサヴェテスの実の妻であるジーナ・ローランズの演技がヤバい。白鳥の湖をラジカセで聞きながら踊るシーンが特に秀逸!
(3)ジーナ・ローランズの役柄の壊れ具合は「オープニング・ナイト」の方が壊れてる。むしろこの映画の躁状態は楽しい!と思うけどな。
(4)原題は「A WOMAN UNDER THE INFLUENCE」だから「こわれゆく女」よりも「跳んでる女!」って感じだと思うな。
(4)ジーナ・ローランズのセリフで「大事なものは5つある。一つは愛。二つ目は友情。三つ目は夫婦の時間。四つ目は母であること。五つ目は妻であること」っていう炸裂具合がサイコー!
(5)終わり方が洒落てる!ヒザかっくんな感じ!
(6)でも世の中っていうのは、この映画に出てくる人たちのように常識に縛られてる人ばかりなんだな。

以下解説です。
神経症気味の妻を持て余しながらも、深い愛情から一人で家庭を切り盛りする、労働者階級の中年男。彼は市のベテラン水道工事員として、職場でも慕われている。突然の水道のトラブルでしょっちゅう家を空ける夫に、妻の気持ちは次第に昂ぶり、ついに狂気の世界へ足を踏み入れる。彼女もまた、抑えきれない強い愛情から、夫を苦しめてしまうのだった。現代人の閉ざされた人間関係の中での、純粋な愛情の探求を常に試みてきたカサヴェテスが、市井のありふれた家庭の中にその主題を求めた力作。夫を取り巻く仕事仲間の描き分けや、妻の日常の淡々としたスケッチも効果的。ことに、妻が、仕事で朝帰りした夫に朝食を出しながら、狂気の片鱗を見せてしまうシーンの切なさが忘れ難い。夫にはP・フォーク、妻にG・ローランズ。それぞれ、カサヴェテスの生涯の盟友だった名優が、素晴らしい演技アンサンブルを見せる。