●「幸せの雨傘」フランソワ・オゾン(2010)
(1)「幸せの雨傘」「リッキー」とオソンの新作が2本も続けて観れるという、オゾン・ファンにはうれしい悲鳴。
(2)でも、太りすぎのカトリーヌ・ドヌープが主演ってどういうこと?と思いながら観ていたら、その理由も次第に明らかに。
(3)原題の「Potiche(ポティッシュ)」とは、フランス語で「棚や暖炉の上に飾られる実用性のない花瓶や壺のこと。転じて、美しいが夫の陰に隠れ、自分のアイデンティティを持たない女性に対して軽蔑的に用いられる言葉」だって。日本でいうところの座敷ブタですな。
(4)会社の上司が自分の妻(専業主婦)を卑下して「座敷ブタ」と言っていたのを思い出した。
(5)1970年代後半の女性解放がテーマ。座敷ブタ(飾り壷)が会社の社長になり、市議会議員になり、ダンナや元カレ達をギャフンと言わせる物語。そんなやり手の役には、太りすぎのカトリーヌ・ドヌープがどハマリ。
(6)オゾンの映画でも大好きな「8人の女たち」風なコメディ・タッチで、浮気の扱い方はウディ・アレンみたいに軽快かつ風刺的。
(7)オゾンにはこんなコメディ・タッチの映画を毎年撮って欲しいものですな。。。