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ピンチの後にチャンスあり!しかし人生ピンチの連続。まぁなるようになるかね。

気がつくと「リッキー」「リッキー」とつぶやいている。


●「リッキー」フランソワ・オゾン監督(2010)
(1)『まぼろし』『ぼくを葬る』に続くオゾン「死」の三部作の完結編。

(2)『まぼろし』では愛するパートナーの死を、『ぼくを葬る』では自分の死を、この『リッキー』では家族の不在を「どう考えるか?」というのがテーマ。

(3)しかしそんな重いテーマとは対照的にこの映画に出てくる赤ちゃんのリッキーはとんでもなく可愛い。

(4)この映画を観てから、リッキーの事ばっかり考えている。気がつくと「リッキー」「リッキー」とつぶやいている。

(5)我が家にも来てくれないものか。いや来たらすぐどこかへ飛んで行ってしまうのではないだろうか、なんて来てもないのに心配したり。。。

(6)生と直結している性に関するシーンがなければ、子供と一緒に観たいくらいだ。

(7)しかしオゾンは性に関するシーンをあえて多くしたり、映画全体のトーンを暗くしているのは、子供向けでなく、大人向けの映画であることを意識しているからだ。

(8)子供が20歳になってから一緒に観て、一緒に家族のことを考え直したい。映画を一緒に観れる関係でいるかわらないけど。

(9)家族って人が増えたり、減ったりすると関係性が変わってくる。家族が増えたら嫉妬したり、生活が変わってしまって雰囲気がおかしくなったり。家族が減っても逆に結束力が強くなったりね。結果的に家族が増えたら良かった、減ったら悲しかった、なんて単純じゃないんだよ、そんなことをオソンは言いたかったのでは。

以下解説

「8人の女たち」「スイミング・プール」のフランソワ・オゾン監督が、翼の生えた赤ちゃんの誕生に右往左往するある家族の姿を、ファンタジックな設定にリアルな心情描写を重ね合わせて描き出していく感動の家族ドラマ。出演はアレクサンドラ・ラミー、セルジ・ロペスメリュジーヌ・マヤンス
 7歳の娘リザと2人暮らしのシングルマザー、カティ。工場勤めの彼女はある日、新入りのスペイン人パコと出会い、恋に落ちる。やがてパコはカティの家に住むようになるが、それまで母を独り占めしていたリザはすっかり不機嫌に。おまけに、カティとパコの間に赤ちゃん“リッキー”が生まれ、ますます不満を募らせるリザ。そんなある日、リッキーの背中にアザを見つけたカティはパコの虐待を疑い、怒ったパコは家を出て行ってしまう。ところがしばらくすると、なんとリッキーの背中から小さな翼が生え始め、ほどなく部屋の中を危なっかしく飛び回るようになる。世間に知られては大変と、必死に秘密を守るカティとリザだったが…。