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ピンチの後にチャンスあり!しかし人生ピンチの連続。まぁなるようになるかね。

私は私を愛するような人間を愛したくない

ヘルタースケルター蜷川実花監督(2012)

(1)原作の連載漫画が1996年。同年岡崎京子さんが交通事故。2003年に単行本化。
(2)映画化がその約10年後か。
(3)まず良かったところ。
沢尻エリカのお尻
・弦楽器やクラッシック中心のサントラ
・クライマックスで流れる戸川純の「蛹化の女」
蜷川実花の頭の中では「ヘルタースケルター」の世界がこんな感じで変換されるんだな、という見世物小屋的奇形感。
・「ヘルター・スケルター」という言葉を使う場面が、原作と映画で違うところ。
(4)ちょっと、どうかと思ったところ。
・漫画の世界では、多角的な視点が語られたのが、麻田検事の視点のみで語られたたところ。
・鏡のシーンばかり多用する蜷川のワンパターン芸
・原作に忠実に進んでいくストーリー
岡崎京子入魂!のセリフやモノローグから抜け落ちた言葉たち。
・主人公リリコの底抜けのモチベーションが語られなかったところ。
(5)総合評価は?と聞かれると「微妙」とか「別に・・・・」なんて回答したくなる。
(6)この映画は岡崎京子ファン向けではなく、化粧や美容整形に興味を持つ十代のギャルやグラビアアイドルになりたがるギャル向けの映画だろう。
(7)だから40代のオヤジのワタシは対象外なんだな。。。なんてちょっとさびしい気持ちに。
(8)この映画で抜け落ちた言葉でヤバかったもの。
「私は私を入れるような倶楽部には入りたくない」つまり「私は私を愛するような人間を愛したくない」ということ。
(9)最初のフレーズはウディ・アレンの引用。その後に岡崎京子が付け足した言葉。
(10)これを砕いて解説すると、「私は私がいる世界は嫌いだし」「私は私を愛するような人の世界から逃げたい」
(10)これこそがこの映画のテーマだと思う。