●ダージリン急行/ウェス・アンダーソン監督(2008)
日本で一番ウェス・アンダーソンを理解しているのはワタシかもしれない。
◆なぜなら2年前のブログで「ウェス・アンダーソンの作品には必ず、求心力があって、強引で、ちょっと間抜けなリーダが登場する。」と書いてあって、本作にもズバリそれに当てはまっているから!
◆日本の映画批評家でそこまで理解している人がいますか?
◆いや!いない!
◆ところで本作はウェスの作品でも一番ユルイ展開の映画だと思う。
◆いい大人が3人、仕事のことなんか関係なしにインド旅行するんだから。
◆でも伝えたいメッセージは過去の作品同様全然ぶれてない!
◆「走って電車に飛び乗ったり」「重いカバンを旅行に持ち歩いたり」「旅行の途中に彼女を思い出したり」するのは全部人生のメタファー(暗喩)なのだ。!
◆「走って電車に飛び乗ったり」するのは「時間に追いかけられた生活で、いつも走っている」ことだし、「重いカバン」は「沢山ありすぎる思い出」のことだし、「彼女をふいに思い出す」のは「人生の振り返り」のこと。いろんなメタファーを探すことができるだろう。
◆本作のクライマックスは「必要以上にいっぱい持っているカバンを捨てるシーン」。もう感づいたとは思いますが、「主人公たちが思い出を捨てて、新しい人生に出発するシーン」なのだから!!!